まずWake On Lanとは、ネットワーク経由でコンピュータ宛(今回はProxmoxVE(pve))にマジックパケットというもの送信することで、そのコンピュータの電源をONにすると言った機能である。さて、前置きはこのくらいにして早速メインの話に入っていくとしよう。
【1】接続されているネットワーク情報を確認していくべ
現在Proxmox一号機、(以下をpveとする)に接続されているNIC(Network Interface Card)を確認していくべ、pveにアクセスする必要があるので、WebブラウザよりpveのローカルIPアドレスを入力し、pveの設定項目から「シェル」を選択する。
【2】使用するNICのMACアドレスをメモする
以下のコマンドでネットワーク情報を確認できる。「link/ether」横に書かれているMACアドレスをメモする。
※今回は仮にMACアドレスを「00:00:00:00:00:00」とし、名前を「enp37s0」とする。
root@pve:~# ip a
【3】ethtoolのインストール
NICのWOLの詳しい状態を確認することと、設定を変更するためにこのパッケージをインストールする。
root@pve:~# apt -y update
root@pve:~# apt -y upgrade
root@pve:~# apt install ethtool
【4】WOLに対応しているかどうかを調べる
以下のコマンドを使用し、WOLに対応しているかどうか調べる。【2】にてNICのMACアドレスと名前を仮に決めているため、それをこちらでも使用して紹介する。
root@pve:~# ethtool enp37s0
コマンドを使用し出てきた情報の下の方に、「Wake-on:」という項目が存在する、この項目の値が「g」であればWOLに対応しており【7】に進んでほしい、「d」であればethtoolにて設定を変更する必要がある。【5】に続く。
【5】ethtoolを使ってWOL対応に変更する
以下のコマンドにて「Wake-on:」の値を変更可能だ。
root@pve:~# ethtool -s enp37s0 wol g
ethtoolコマンドにて「Wake-on: g」に変更されているはずなので、「ethtool enp37s0」を入力して、もう一度確認してみましょう。※何度もいうが、ここでのNICの名前は、「enp37s0」と仮定した場合の設定コマンドなので、それぞれが」入力する場合は、自分の環境に合わせてコマンドを入力して頂きたい。
【6】WOLの自動設定
先程【5】にて、ethtoolコマンドを使用してWOL対応の設定を行ったが、このままでは再起動毎にもとの設定に戻ってしまうため、先程のコマンドをcrontabに登録しpve起動時に毎回実行されるようにする。
root@pve:~# crontab -e
それぞれのエディタでcronの設定を開いたら、以下の画像のコマンドを登録する。
筆者のpveの場合は、「/usr/sbin/ethtool」に「ethtool」がインストールされていたが、Proxmoxのバージョンの違いによって異なる場合は、「which ethtool」などのコマンドを使用してインストール先を調べると良い。
【7】ProxmoxWebGUIから起動できるようにする
以上でWake On Lan自体での起動は可能だが、Proxmox clusterを組んでいる自分の状況では、ブラウザのGUI上からマジックパケットを送信したいため、追加で設定を行う。
以下のコマンドをpveに入力する。ここで注意なのだが、このコマンドはProxmoxクラスタに参加しているすべてのpveがオンラインの状態でないと実行することができない、主はこの仕様に少し頭を悩ませた時間があった。
再度忠告するが、今回は仮のMACアドレスとして「00:00:00:00:00:00」を設定する場合の紹介をしている。
root@pve:~# pvenode config set -wakeonlan マックアドレスを入力
コマンド自体は、以上のような書き方になる。それではまた次の機会に~
またね~~~